聴き慣れないコーヒーの国「ブルンジ」
STANDART JAPANの第20号に掲載されていたBrundi(ブルンジ)の記事が、私の心に強く残りました。
「ブルンジ」と聞いて、すぐにコーヒーと結びつく人は少ないかもしれません。
ブルンジとは、東アフリカの内陸に位置する小さな国。
コーヒー産業にほぼ100%を依存しています。
国土の大半が標高2000mほどで、この記事によると、
この地には、スペシャルティーグレードのアラビカ種の栽培に最適な条件がそろっている。
STANDART<20>Burundiより
だそうです。
国境を接するルワンダやタンザニアといった国々も、コーヒー豆の生産地として広く知られていますから、ブルンジがコーヒー豆の栽培に適しているのも納得できます。
私があるコーヒーイベントで試飲したブルンジのコーヒーは、フルーティーではちみつの様なフレーバーがあったことを鮮明に覚えています。
ですからブルンジが コーヒー豆の評価が高い生産国として一般に知られていてもおかしくないと思っていたのです。
コーヒーマニアが知っておくべき生産国の現実
ところが現実は異なっていました。
ブルンジにはそれを妨げる法律があったのです。
生産者がほとんどのコーヒーを低品質のコモディティーコーヒーとして売らなければならない。
STANDART<20>Burundiより
と定められていて、
記事では、
生産者が直接精製に携わってコーヒーの質や付加価値を高めることを禁止している。
STANDART<20>Burundiより
というのです。
そして驚くことに、これはブルンジのコーヒー業界が抱える多くの問題のひとつに過ぎないというのです。
「コーヒー豆の生産者に適切な賃金が支払われているのか?」
という命題は、ブルンジのみならず世界的な課題で、改善していかなければならないのは明白です。
それにも関わらず、 ブルンジ政府は生産者に不利な法律を定めたまま。
生産者はわずかな生活費を稼ぐために栽培していますが、その豆は国有のウォッシングステーションへと持ち込まなければならないため、その後の精製や販売に関わることができません。
私はこの記事を読んだとき、コーヒー豆の質を上げ、より豊かな生活を送るために努力することさえも法律で禁じられていのるかと悲しくなりました。
抑圧が長年続けば、彼らの生命線であるコーヒー栽培は縮小し、労働に対して消極的になってしまうでしょう。
私には信じられないことでした。
ブルンジ政府の考え方が日本のそれとはあまりにもかけ離れていたからです。
日本では、生活を良くするために努力するかしないかはその人次第。それを法律で縛られるということはありません。
日本人にとってはあまりにも当たり前のことで、もはや自分の人生を自分で選択して生きているという感覚すらないかもしれません。
ですがブルンジには選択の自由すらないのです。
コーヒーを学び、生き方を見つめる^_^
私は、日本に生まれたのだから、そして幸運にもこの記事を読み、考えるきっかけをもらえたのだから、毎日がより楽しくなるような選択ができるように努力していきたいなと思いました。
またコーヒー好きの一人として、生産者をはじめ飲み手の皆さんすべてが幸せになる流れになってほしいと強く願っています。
今すぐに解決できる問題ではないけれど、この現実を一人でも多くのコーヒー好きの方に知ってもらうことが大切だと考え、今回のブログのテーマにしました。
ご参考にして頂ければ幸いです。
HN coffee でもブルンジのコーヒー豆を取り扱ってみたいなあと、そんなことを思いながら…
それでは今日も、美味しく素敵な一杯を☆
Hugs & laughter from HN coffee.